必須科目1で問われる技術者倫理
技術士二次試験の筆記試験では「必須科目」で「技術者倫理」に解答する必要があります。
必須科目の設問4に相当し、必須科目1だけにある設問です。
この記事では「技術者としての倫理」の内容と解答方法について解説します。
2022年の設問の出題内容の変化を踏まえて内容を見直しています。
また「社会の持続可能性」の部分に関しては別の記事へまとめています。
- 技術者としての倫理
- 社会の持続可能性
技術者倫理とは?
「技術者倫理」については受験申込み案内で以下のように記載されています。
設問へ回答する際には頭に入れておく必要があります。
技術者倫理(引用)
【技術者倫理】
・業務遂行にあたり,公衆の安全,健康及び福利を最優先に考慮した上で,
社会,文化及び環境に対する影響を予見し,
地球環境の保全等,次世代にわたる社会の持続性の確保に努め,
技術士としての使命,社会的地位及び職責を自覚し,倫理的に行動すること。
・業務履行上,関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
・業務履行上行う決定に際して,自らの業務及び責任の範囲を明確にし,
これらの責任を負うこと。
引用元:令和4年度技術士二次試験受験申込み案内
技術者倫理の要点
設問の解答に使いやすいよう技術者倫理を全14項目に分けました。
試験ですので「解答しやすく」「得点しやすい」部分を重点的に学習しましょう。
①公衆の安全、②健康、③社会の福利、
④社会、⑤文化、⑥環境、
⑦地球環境の保全、⑧次世代にわたる社会の持続性の確保、
⑨技術士としての使命、⑩社会的地位、⑪職責、
⑫業務に関連する法令を遵守すること。
⑬業務範囲、⑭業務における責任、を明確にすること。
技術者倫理と技術士倫理綱領の違い
注意点としては「技術者としての倫理」と「技術士倫理綱領」を混同しないことです。
厳密に言えば「技術者」と「技術士」はイコールではありません。
技術者としての倫理は「受験申込み案内」に記載されています。
技術士倫理綱領|日本技術士会
技術者としての倫理への解答例
必須科目1の設問4の全体で約300字(約12行)を目安に回答していきます。
「社会の持続可能性」に関する観点も記載するので
「技術者としての倫理」に該当する部分は 約100~150字 で書けるよう準備しましょう。
必須科目1の設問4の内容
【必須科目の設問4】
前問2~3の業務遂行に当たり、機械技術者としての倫理、
社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点について述べよ。
引用元:令和4年度技術士第二次試験問題 1機械部門【必須科目Ⅰ】
設問から答えるべきは「業務遂行に当たり必要となる要件・留意点」ですので間違えないようにしましょう。
解答例を「基本編と応用編」に分けて記載しました。本番での時間や精神的な余力と相談して使い分けてください。
設問については下記の記事でも解説しています。
設問4の解答例1(基本編)
「基本編」として解答する時間が無い場合は
「技術者としての倫理の観点」を「節4-1」の見出しとして設定します。
「技術者倫理」の内容を箇条書きにして、そのあとに続いて具体例を書きます。
設問2~3に関連した内容を外れないよう注意しましょう。
4.業務遂行において必要な要件と留意点
4.1 技術者としての倫理の観点
① 〇〇では、△△に留意し、~に努める。
② 〇〇では、△△に留意し、~に努める。
4.2 社会の持続可能性の観点 ※本記事では省略
設問4の解答例2(応用編)
「応用編」としては「2つの観点」を文末で表現することで、改行を減らし記述量を確保し理解度をアピールします。
基本編のように節4-1の見出しを「技術者としての倫理の観点」とすると分かり易いですが、その反面、改行することで記述できる文字数が減ってしまいます。
4.業務遂行において必要な要件と留意点
① 〇〇では、△△に留意し、~に努める(技術者としての倫理の観点)
② 〇〇では、△△に留意し、~に努める(技術者としての倫理の観点)
③ ~に貢献する(社会の持続可能性の観点)※本記事では省略
※〇〇の部分には「設問で与えられた問題」を技術部門で解釈した内容が入ります
必須科目1における技術者倫理まとめ
技術士二次試験の必須科目における「技術者としての倫理」を解説しました。
必須科目Ⅰは他の設問で挽回することができないため、どれだけ時間が無くとも設問4は記述して加点する必要があります。ただ、評価項目が明確なため事前に準備していれば回答しやすい問題です。
内容が予想できる問題は少ないので着実に得点しましょう!
以上。最後までお読みくださりありがとうございます。