必須科目1で問われる社会の持続可能性
技術士二次試験の筆記試験では「必須科目」で「社会の持続可能性」に解答する必要があります。
この記事では特に設問の「社会の持続可能性」への答え方について解説します。
「技術者としての倫理」の部分に関しては別の記事へまとめています。
- 技術者としての倫理
- 社会の持続可能性
社会の持続可能性とは?
設問で「社会の持続可能性の観点」と問われた場合、「SDGs」と組み合わせて解答する という理解で問題ありません。
SDGsをはじめて聞いた方は下記で解説していますので勉強していきましょう。
SDGsとは?
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
2015年に国連で採択された「2030年を期限とする17つの国際目標」です。
外部リンク:SDGsとは? | 外務省
17つの国際目標(ゴール)
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任、つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさを守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
国際目標の分類「環境・人権・平和」
筆記試験ではすべての国際目標(ゴール)に言及することはできません。
そのため、設問に解答する際に軸にする国際目標を決めておきましょう。
SDGsの17の国際目標は「環境・人権・平和」の3つに大別できます。
学習前に確認すること
試験前には現在会社にお勤めの方は 所属企業の決算資料を確認してください。
昨今では多くの企業がSDGsに取り組んでいるため、社外発表資料の中にSDGsの17のゴールが含めている場合があります。所属企業の取り組んでいるSDGsの目標が分かれば日頃の業務にも、目標として反映されているはずなので解答しやすくなります。
解答しやすい国際目標【5選】
機械部門の設計者が解答へ反映させやすいゴールを5つ選定します。
すべてのゴールを覚えるのがベストですが優先順位をつけて暗記しましょう。
また、選定した 国際目標の「ターゲット」もあわせて確認しましょう。
外部リンク:続可能な世界への第一歩 SDGs CLUB|unicef
⑦エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
⑨産業と技術革新の基盤を作ろう
⑫つくる責任、つかう責任
⑬気候変動に具体的な対策を
⑭海の豊かさを守ろう、⑮陸の豊かさを守ろう
⑦エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
省エネや再生可能エネルギーの内容です。例えば、〇〇の向上を通して、〇〇を効率化させ、化石燃料の消費を減らす。
- 再生可能エネルギーの比率を高める
- 化石燃料の消費量を減らす
⑨産業と技術革新の基盤を作ろう
まさにDXの内容です。例えば、技術伝承に配慮し後進の育成に努める。
- 平等なインフラの実現
- 第1次2次を除く産業の育成
⑫つくる責任、つかう責任
例えば、〇〇の環境配慮設計を通して、リサイクル性を高め、環境負荷を減らす。
- 廃棄物が環境に与える影響を管理する
- 3Rを徹底する(リユース、リデュース、リサイクル)
- 天然資源の利用効率を高める
⑬気候変動に具体的な対策を
例えば、〇〇の効率化を通して、電力消費を減らし、環境負荷を低減する。
- 気候変動への具体的な対応を計画する
- これから起こるであろう災害(温暖化)への復元力を備える
社会の持続可能性への解答例
必須科目の設問4全体で約300字(約12行)を目安に回答していきます。
「社会の持続可能性」に該当する部分は 約100~150字 で書けるよう準備しましょう。
必須科目の設問4の内容
【必須科目の設問4】
業務遂行において必要な要件・留意点を
機械技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
引用元:令和2年度技術士第二次試験問題 1機械部門【必須科目Ⅰ】
設問から分かるように答えるべきは「業務遂行において必要な要件・留意点」ですので忘れないようにしましょう。
あくまで「観点」=「切り口」として設問に取り組みましょう。
設問については下記の記事でも解説しています。
「基本編」と「応用編」に分けて解答例を記載しました。
本番での時間や精神的な余力と相談して使い分けてください。
設計4の解答例1(基本編)
「基本編」として解答する時間が無い場合、
「社会の持続可能性の観点」を「節4ー2」の見出しとして設定します。
4.業務遂行において必要な要件と留意点
4.1 技術者としての倫理の観点 ※本記事では省略
4.2 社会の持続可能性の観点
~を通して、~することで、「国際目標〇〇」に貢献する。
※〇〇にはSDGsの「国際目標」が入ります。
設計4の解答例2(応用編)
「応用編」としては「2つの観点」を「節の見出し」として使用せず、
文末で表現することで改行を減らし記述量を確保し理解度をアピールします。
基本編のように節4-2の見出しを「社会の持続可能性の観点」とすると分かりやすいが
その反面、改行することで記述できる文字数が減ってしまいます。
4.業務遂行において必要な要件と留意点
① 〇〇では、~に留意し、~に努める(技術者としての倫理の観点)※本記事では省略
② 〇〇では、~に留意し、~に努める(技術者としての倫理の観点)※本記事では省略
③ ~を通して、~することで、
「国際目標〇〇」に貢献する(社会の持続可能性の観点)
※〇〇にはSDGsの「国際目標」が入ります。
必須科目1で問われる社会の持続可能性まとめ
技術士二次試験の必須科目における「技術者としての倫理」を解説しました。
必須科目Ⅰは他の科目で挽回することが不可能な問題です。
そのため、どれだけ時間が無くとも(4)は記述する必要があります。
ただ、評価項目が明確なため事前に準備していれば回答しやすい問題です。
内容が予想できる問題は少ないので着実に得点しましょう!
以上。最後までお読みくださりありがとうございます。