設問における「課題」とは?
技術士二次試験の設問で必ず聞かれるといってもいい「課題」というキーワードがあります。
そもそも「課題」とは何を示しているのでしょうか? この記事は私の「 備忘録 」 です。
課題の定義
試験の設問内における「課題」の定義は明確にありませんが、
「課題」とは「問題」を解決するためになすべきことです。
つまり、「問題」がわからなければ「課題」も不明ということです。
この根拠は日本技術士会が発行している
「修得技術者のための修習ガイドブック(第3版)P11」に同様の内容が示されています。
それでは「問題」とは何でしょうか?
問題の定義
「問題」の定義も同様に書かれていますが図を作りました。
図の後で「修習ガイドブック」の内容を引用しています。
「課題」は図中で「目標と現状の間の矢印」を短くすることを期待されています。
問題=目標値ー現状値|引用元:修得技術者のための修習ガイドブック 第3版
問題と課題の具体例
問題と課題の具体例を思いつくだけ記載します。
予想される「出題テーマ」に対しては同様の内容を実施しましょう。
設問の中で答えらる「問題や課題」は全体のわずかな部分に過ぎません。
大まかな分類ですが
「問題」の語尾は「ネガティブ」で、「課題」の語尾は「ポジティブ」です。
問題の具体例
- 技術上の問題
各テーマごと(技術開発・生産技術・品質保証など) - 工程上の問題
目標生産数に達していない、設定した納期に間に合わない、 - 組織の問題
設計する人が足りない、人が移動して分からない、人の習熟度や技能が足りない、 - リスクマネジメントの問題
材料調達が地政学リスクで滞っている、災害で工場の操業が停止してしまった、 - 倫理の問題
検査表の偽造が発覚した、不安全な設計が発覚した、 - 環境の問題
製品の環境負荷が想定よりも高い、有害な化学物質の含有量が規定以上だった、 - 予算上の問題
計画した予算を超過している、計画した予算を確保できていない、
課題の具体例
表現としては「XXのXXによるXX」などです。例:自動車の燃費向上による省エネ化
- 技術上の課題
※各テーマごと(~を開発する) - 工程上の課題
歩留まりを改善する、生産効率を向上させる - 組織の課題
XXの習熟度を向上させる、技術を伝承する、 - リスクマネジメントの問題
XXを導入する、 - 環境の問題
環境を保全する、
課題の答え方
必須科目1(1)と選択科目3(1)では「課題」が問われます。
「課題」を詳細に書き過ぎると、後で「解決策」に答える難くなるので注意しましょう。
答え方のパターンとしては以下の2通りあります。
パターン①「文末:~が課題である」
文末を「~が課題である」で締めるパターンです。
「課題」という結論を意識しながら、論理構築をしながら回答を記入していく必要があります。
そのため、メリットとして「問題」を明確に定義していることをアピールできます。
例えば、「~の場合、~が問題となる。そのため、~が課題となる。」
パターン②「冒頭:課題は~である」
冒頭に「課題は~である」と記載するパターンです。
「課題」を先に書くことで、後半の論理構成に自由度が生じます。
そのため、メリットとして全体の文章量を調整しながら書くことができます。
例えば「課題は~である。抽出理由は、~からである。(また、~である)」
QC検定における課題と問題:番外編
QC検定では「課題達成」と「問題解決」という記載をしています。課題と問題の違いとして
課題:原因が無いもの
問題:原因があるもの です。
そのため問題解決では原因の分析が解決策を立案する際の工程に入ります。
課題と問題の違いまとめ
「問題」と「課題」の違いを明確にしたことで、解答パターンへの理解も深まりました。
解答パターンは出題テーマやご自身の答えやすさに合わせて練習してみてください。
また、解答の中で「分析」を意識して内容を掘り下げると後の「解決策」へ繋げやすいです。
以上。最後までお読みくださりありがとうございます。