口頭試験の概要【模擬質問の根拠】
技術士二次試験は筆記試験と口頭試験の日程に分かれています。
無事に筆記試験に合格された方は口頭試験に進むことができます。
そこで口頭試験に向かう方向けに「試験概要」と「想定質問」をご紹介します。
試問概要と合格基準
口頭試験では以下の内容について試問されます。
受験申込み案内からの引用です。
- 技術士としての実務能力
- コミュニケーション+リーダーシップ(30点)
- 評価+マネジメント(30点)
- 技術士としての適格性
- 技術者心理(20点)
- 継続研さん(20点)
時間想定
試験時間は基本20分です。
基本と言っているのは時間内に技術士適正が確認されない場合に延長されるようです。
そのため延長されない方が「合格」には近いと言えます。
また試験官の方は限られた時間の中で受験者の適正を見極める必要があります。
口頭試験で確認すべき各項目に避ける時間は限られています。
上記の表から質問と回答時間を考えれば最大でも「30問対策」できれば合格に近づきます。
想定質問
試験における導入部分の質問です。
着席直後に聞かれる質問ですがここで躓くと口頭試験全体の雰囲気を左右します。
無難な回答を用意しておきましょう。
導入質問
- 技術士を取得する動機は何ですか?
- 専門科目を選択した理由を教えてください。
- 業務経歴と業務内容について(1‐3‐5分)以内で説明してください。
- 業務内容の中で技術士としてふさわしい点はどこでしょうか?
業務内容の詳細
受験申込みの際に提出している「業務内容の詳細」を問われることもあるようです。
そのため口頭試験前には提出している「業務経歴」と「業務内容の詳細」について再度確認しておきましょう。
- 「業務内容の詳細」のコミュニケーションについて説明してください。
- 「業務内容の詳細」のリーダーシップについて説明してください。
- 「業務内容の詳細」の評価について説明してください。
①技術士としての実務能力
技術士としての実務能力では
「コミュニケーション・リーダーシップ・評価・マネジメント」が評価されます。
試験内容の本丸ですので周到な対策が必要となります。
コミュニケーション
- コミュニケーションを発揮した例を教えてください。
- コミュニケーションについて具体的にどのように取り組んでいますか。
- 上司や部下とは普段どのようなコミュニケーションを心掛けていますか。
リーダーシップ
- リーダーシップを発揮した例を教えてください。
- リーダーシップについて具体的にどのように取り組んでいますか。
- 利害が相反する関係を調整した事例はありますか。
評価
- 業務で実際に行った評価について説明してください。
- 過去の業務について現在の視点で改めて評価してください。
- 評価においてPDCAサイクルを回す際に工夫している点を教えてください。
マネジメント
- マネジメントを発揮した例を具体的に教えてください。
- 部下のマネジメントについてどのように考えていますか。
- 過去の業務で人員や設備や予算などリソースを配分した事例を教えてください。
- 予算や納期に収まらなかった際に過去に工夫した点があれば教えてください。
②技術士としての適格性
技術士としての適格性では
「技術者倫理・継続研さん」が評価されます。
解答する際に自己の業務に無理に紐づける必要がなく出題内容も①と比較して想定しやすいです。
ただ、①より配点は低いですが「各60%以上の得点」が合格基準ですので油断は禁物です。
技術者倫理
- 技術者倫理の視点で会社と社会で利益相反が生じた際にどのように対応しますか。
- 品質とコストなどでトレードオフが生じた場合に工夫された事例はありますか。
- 3大義務+2大責務について説明してください。
継続研さん
- 自己研さんを現在どのように行っていますか?
- 特許取得や学会発表などの実績について教えてください。
- 技術士になってからどのような活動をしたいですか。
口頭試験の模擬質問まとめ
口頭試験の合格率は80%と高い状況が続いています。
しかし、これは難関の筆記試験を合格した受験者の5人に1人が落ちるということです。
準備しなければ合格が遠のき来年も筆記試験を受けなければなりません。
ここまで来れば合格は目前ですので万全の準備をして臨みましょう!
以上。最後までお読みくださりありがとうございます。
追記:口頭試験の得点
WEB上に個人で公開されていた技術士二次試験の口頭試験成績を分析してみました。口頭試験のサンプルは15件です。ご自身で成績開示をされた経験がある方は昨年の結果から何が不足していたのか学習戦略を見直すきっかけになると思います。
項目 | コミュニケーション | マネジメント | 倫理 | 研鑽 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
配点 | 30点 | 30点 | 20点 | 20点 | 100点 |
合格点 | 18点 | 18点 | 12点 | 12点 | 60点 |
最高点 | 24.0点(80%) | 24.0点(80%) | 17.5点(88%) | 16.7点(83%) | 82.2点 |
平均点 | 20.2点(67%) | 19.2点(64%) | 13.7点(69%) | 13.6点(68%) | 66.6点 |
最低点 | 13.5点(45%) | 13.0点(43%) | 10.0点(50%) | 9.5点(48%) | 46.0点 |
判定A | 13/15(87%) | 12/15(80%) | 12/15(80%) | 12/15(80%) | 12/15(80%) |
技術士としての実務能力
- コミュニケーションとリーダーシップ
- 評価とマネジメント
技術士としての適格性
- 技術者倫理
- 継続研鑽