技術士二次試験に関連する代表的なISOシリーズ
技術士二次試験に出てくる代表的なISOシリーズを紹介します。
解答の中で規格Noを引用することで、解答の具体性を高めて、高得点へ繋げることを目的としています。下記の5つをチェックしていれば試験範囲では十分フォローできると考えます。各マネジメントシステムでは、技術用語の解説もなされているので1度は目を通すことをお勧めします。
- ISO 9000シリーズ:品質マネジメントシステム
- ISO 12100シリーズ:機械類の安全性
- ISO 14000シリーズ:環境マネジメントシステム
- ISO 27000シリーズ:情報セキュリティマネジメントシステム
ISO 9001シリーズ:品質マネジメントシステムQMS
ISO 9000シリーズは、国際的な品質管理基準であり、組織が顧客満足度を向上させ、規制遵守を達成し、継続的な改善を達成するための要件を定義しています。ISO 9000シリーズは、ISO 9001、ISO 9002、ISO 9003など、いくつかの規格から構成されていますが、ISO 9001が最も一般的で広く利用されています。
設計審査と検証と妥当性確認は、ISO 9001のクラウス8.3に基づく設計と開発プロセスの一部となります。これらのプロセスは、組織が製品やサービスを設計・開発する際に、その製品やサービスが顧客の要件と一致し、その用途に適していることを保証します。これらのプロセスは互いに関連していて、全体として製品やサービスの品質を向上させ、組織の品質マネジメントシステム全体の効果を高めます。
- 検証(Verification):
検証は、設計や開発の段階で、製品やサービスが特定の要求事項や仕様を満たしているかどうかを確認するプロセスです。検証は「仕様に従って正しく製品を作ったか?」を確認します。 - 妥当性確認(Validation):
妥当性確認は、製品やサービスが特定の利用目的または意図した用途に適しているかどうかを確認するプロセスです。妥当性確認は「正しい製品を作ったか?」を確認します。 - 設計審査(Design review):
設計審査は、設計と開発プロセスの各段階で実施され、その設計が要件を満たすことを確認します。この審査により、設計の問題点や改善点を早期に発見し、設計変更を必要とする問題が後の段階で発生するのを防ぐことができます。
ISO12100シリーズ:機械類の安全性
ISO 12100シリーズは、機械の安全性に関する国際標準であり、機械を設計および製造する際のリスク評価とリスク削減のための基本的な原則と方法論を提供します。この規格は、設計者に対して安全な機械設計のためのフレームワークを提供することで、事故や労働災害のリスクを低減し、作業環境の安全性を向上させることができます。規格では機械の設計や製造プロセスにおいて、安全性を考慮することが促進されます。
- リスクアセスメント(リスク評価):
組織が特定の活動を行う際に可能性のあるリスクを特定、評価、そして管理するプロセスです。これは、潜在的な問題を予測し、その影響を軽減または防ぐための対策を計画するための重要な工程です。 - リスク低減(3ステップメソッド):
3ステップメソッドは、リスク低減の階層的なアプローチです。手順は、最初に設計で可能な限りリスクを除去または削減し、それが不可能な場合は保護装置や安全措置を通じてリスクを制御し、最終的にはユーザーへの警告や指示を提供することで残存リスクを管理します。 - リスク分析:
リスク分析は、リスクアセスメントの一部を構成する手順である。手順は、①危険の特定:まず、機械が利用される過程で発生する可能性のある危険を特定します。②危険状況の特定:特定の危険が人々に危害を及ぼす可能性のある危険状況を特定します。③危害の評価:特定された危険状況が実際に危害を及ぼす可能性とその重大性を評価します。④リスクの評価:危害の評価の後、リスクの評価が行われます。
ISO14001シリーズ:環境マネジメントシステム EMS
ISO14001シリーズは、環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格であり、組織が環境への影響を管理・改善するためのフレームワークを提供します。主な目的は、企業が環境パフォーマンスを改善し、法的およびその他の要件を満たすためのフレームワークを提供することです。この規格は、企業が環境に対する影響を管理し、持続可能な開発を推進することを可能にします。
- 連続的な改善、目標の設定、文書の記録と管理、法令遵守、組織全体での取り組み、
- 環境ラベル
- 環境パフォーマンス評価
- ライフサイクルアセスメント
ISO27001シリーズ:情報セキュリティマネジメントシステム ISMS
ISO27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際標準です。これは組織が情報を適切に保護するために、情報セキュリティリスクを効果的に管理するためのフレームワークを提供します。この規格は、企業が情報資産を適切に保護し、信頼性、機密性、および利用可能性を維持するのに役立ちます。
- リスク評価、セキュリティーポリシー、オペレーション、人、
- セキュリティインシデント、リスクマネジメント、リスクアセスメント
その他の参考JISとISO規格
- ISO20400
ISO20400は「持続可能な調達」に関するガイダンスとして開発された国際規格です。この規格は、調達の決定やプロセスに関与する、または影響を受けるすべての組織に対するガイダンスを提供します。その活動や規模に関係なく、調達に持続可能性を統合することを目指しています。 - ISO26000
ISO 26000:2010は、社会的責任(SR、しばしばCSR – 企業の社会的責任)に関するガイドラインを提供する国際規格です。この規格は、2010年11月1日に国際標準化機構によって公開され、その目的は、ビジネスや他の組織が社会的責任を実践することで、彼らの労働者、自然環境、そしてコミュニティへの影響を改善し、全体としての持続可能な開発に寄与することです。自主的なガイドライン規格である。
参考情報
参考資料は順不同で記載しています。
- オムロン株式会社|Safety Navi – 機械安全情報サイト
ISO 12100に基づくリスクアセスメント - 株式会社キーエンス|FACTORIS~映像業エンジニアのための海外業務サポートサイト~
第3章 機械安全規格について - 一般社団法人 日本能率協会 審査登録センター
ISO9001(品質マネジメントシステム:QMS)
ISO14001(環境マネジメントシステム:EMS)
ISO/IEC27001(情報セキュリティマネジメントシステム:ISMS)
ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム) - ビジョンで回す博士の品質マネジメント
ISO9000:品質マネジメントのデザインレビュー(DR)
JIS Q 14001:2015環境マネジメントシステムの改訂ポイント