設計者は生産ラインのことをほとんど知りません。
これには仕方のない部分もありますが「努力と根性」で埋めることはできます。
製品は他でも無い「生産現場」で作られています。
製品設計者にとって最初のお客様は「生産現場の方々」なのです。
生産ラインで製品の組み立てを効率化したり単純化できれば安定した品質に繋がります。
製品に関わる人がみんなしあわせになります。
現場と一緒にものづくりを盛り上げたい!
- 生産現場のことが何も分からない方
- 現場で組み立てやすい製品を設計したい方
- 現場を巻き込んでコストダウンを目指したい方
生産現場のことを勉強をする方法【機械設計者】
生産の話をもっと教えて欲しい…
- 製造品質:Q
- 製造原価:C
- 生産期間:D
生産現場のQCDとは何でしょうか?
少し製品設計のQCDとズレていることに気がづくでしょうか?
製品設計プロセスでは組み立て前の個々の部品に対してQCDが設定されているイメージです。
そこで生産現場におけるQCDなどを勉強する参考書をご紹介していきます。
- 初級者向け:はじめての現場改善
- 中級者向け:生産マネジメント入門〈1〉生産システム編
- 上級者向け:生産マネジメント入門〈2〉生産資源・技術管理編
初級者向け:はじめての現場改善【レビュー】
1冊目は「はじめての現場改善」です。
「はじめての治具設計」で有名な西村さんによって書かれており、
2021年11月に発売された新しい書籍です。
現場のQCDについて丁寧に記載されています。
前半の第4章までは基本的な内容となっていますが、全てを説明できる設計者は稀だと思います。
後半の第5章からの部分は実際に現場をどう改善していくのかについて記載されています。
とにかく導入の部分が丁寧なので「初心者」おすすめの1冊です。
中堅の方は第5章から読んでも十分に楽しめる内容だと思います。
特に工程で使用する「治具設計をする方」は第5章からを熟読してください。
- タイトル「はじめての現場改善」
- 発売日:2021年11月18日
- 執筆者:西村 仁
中級者向け:生産マネジメント入門〈1〉生産システム編【レビュー】
2冊目は「生産マネジメント入門〈1〉生産システム編」です。
東京大学の藤本さんによって書かれた著書です。
技術士の勉強をしているときに出会った本ですが「名著 of 名著」です。
ページ数は400ページ近いのでボリュームがありますが、
1冊だけ生産に関する本が買えるとしたら迷わず本書を購入します。
生産システムとコストについてこれほど体系的に学べる本を私は知りません。
20年前の書籍ですが現代でも十分に共通する項目を見つけることができます。
本書の内容に近い内容を以下の「経営管理Ⅱ」で見ることができます。
東京大学の講義資料を無償で公開しているWebサイト:UTokyo OCW
- タイトル「生産マネジメント入門〈1〉生産システム編」
- 発売日:2001年06月01日
- 執筆者:藤本 隆宏
上級者向け:生産マネジメント入門〈2〉生産資源・技術管理編【レビュー】
3冊目は「生産マネジメント入門〈2〉生産資源・技術管理編」です。
こちらは2冊目の藤本さんによる著書の続編の位置づけで「生産資源と技術管理」に特化した内容です。
生産現場というよりも「生産工場そのもの」に関して理解を深めたいときに読む1冊です。
普通の製品設計者だとここまで詳細な内容は必要無いかもしれませんが、
将来的に部門を率いるような立場になるのであれば1読する価値のある本です。
製品シリーズまるごと担当される方は「技術管理編」を読むのをおすすめします。
技術的な優位性を維持することについて学べます。
- タイトル「生産マネジメント入門〈2〉生産資源・技術管理編」
- 発売日:2001年06月01日
- 執筆者:藤本 隆宏
設計者がおすすめする生産技術の参考書3選まとめ
製品を設計する以上は「生産現場の力学」を知らずに仕事はできません。
治具を設計するにも誰がどんな風に使用するか考える必要があります。
書籍を通して製品の品質を高め利益を上げ続けるために生産現場の知識を先人に学びましょう。
- 初級者向け:はじめての現場改善
- 中級者向け:生産マネジメント入門〈1〉生産システム編
- 上級者向け:生産マネジメント入門〈2〉生産資源・技術管理編
以上。最後までお読みくださりありがとうございます。