インサートナットの違いを3Dプリンターで使う前に学ぼう

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インサートナットの違いから種類を分類する

現場では「インサート」と省略されて呼ばれることが多いですが、

正確には「インサートナット」や「ねじインサート:JIS B 0002-2」と言います。

めねじ強度の弱いプラスチックやアルミなどの材料に埋め込んで使用されます。

「インサート・エンザート・ヘリサート・イリサート」などは大きく分類すると全て「インサートナット」です。

市場や業界によって呼び方が異なる場合がありますがご容赦願います。

インサートの種類
  • インサート(insert)
  • エンザート(Ensert)
  • ヘリサート(Helisert)

インサート(insert)と使われ方

ここでは大分類としていの「インサート」ではなく、小分類としてプラスチックで使用される「インサート」について説明します。

プラスチックのみに着目すると成形後のインサートは「アウトサート加工」とも言います。

特に3Dプリンターで作った部品に「めねじ」を作る際には有効な手段です。

  • 成形後-熱圧入:専用工具や半田ごてを利用して溶かしながら圧入する
  • 成形後-超音波圧入:ナットと部品の超音波による発熱を利用して圧入する
  • 成形後-挿入後拡張:ナットを挿入後に返りとなる形状を拡張して固定します
  • 成型時-インサート:射出成形する金型にあらかじめ置いて固定します

インサートの参考資料

エンザート(Ensert) と使われ方

引用元:https://www.sanyu-seiki.com/product/ensat.html

エンザートは外側と内側にねじ山が切られているインサートナットのひとつです。

相手部品に下穴が開いていればセルフタップで挿入できねじ穴を補強できる部品です。


そのため、事前にタップを通す作業が不要な分、作業時間を短縮することができます。

セルフタップなので相手部品が熱処理などで硬い材料には向いていません。

エンザートの参考資料

ヘリサート(Helisert) と使われ方

引用元:https://www.sanyu-seiki.com/product/e_sert.html

ヘリサートは金属のコイル状の部品でインサートナットのひとつです。

主な用途としては「めねじの補強や修復」に使用されます。

ヘリサートはタングの有無で分類され、挿入時には専用工具が必要になります。

ちなみに「スプリュー」と「ヘリサート」は同じものです。

  • ヘリサート:タング有
  • イリサート:タング無し(タングレス)

ヘリサートの参考資料

ノンサートは「ナット」では無い。

「ノンサート」は「樹脂用タッピングねじ」のことです。

この記事で紹介している「インサート」はすべて「めねじ」です。

そのため「おねじ」の「ノンサート」は全く別の製品となります。

「サート:入れる」が「ノン:不要」と考えると覚えやすいです。

外部サイト:TOP>製品一覧>ノンサート>池田金属工業株式会社

インサートナットの違いから種類を分類するまとめ

インサートナットの種類をご紹介しました。

名前が短いにも関わらず似ている言葉があり難しかったと思います。これは各社の商標が混ざっていることも複雑さを生み出す原因となっています。

実際の業務ではねじ呼び径や母材の材質や作業工程などを設計要素として考慮する必要があり、インサートを選択して量産品に適用できるのは上級な技術者だと思います。私も将来的にはそうなっていたいと思い修行をしています。


以上。最後までお読みくださりありがとうございます。

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