サプライチェーンマネジメント【キーワード学習】

サプライチェーンマネジメントとは？【技術士二次試験】

サプライチェーンマネジメントは「Supply Chain Management：SCM」の略称です。

原材料の調達から顧客への製品供給にいたるまで、企業の資源を協力会社を含めて全体管理し、最適化するマネジメント手法のことです。大きな適用領域としては３つに分けられます。

調達・購買（原材料を原産地から工場へ）
生産・製造（工場でのリソース管理）
物流・販売（製品を工場から顧客へ）

サプライチェーンとは？

製造業で単に「サプライチェーン」と表現すると、「調達」⇒「製造」⇒「販売」⇒「消費」の工程で表されます。

扱われるのは「人・物・金・入庫・在庫・出庫・設備・納期・受注」などです。

各工程間の矢印には「流通と保管」が含まれます。
流通（輸送）＝「海運・船舶・鉄道・運送」などが該当します。
最終工程の「消費」には「使用と廃棄」が含まれます。

SCMの長所（メリット）

自社だけでなくサプライチェーン全体のリソースが可視化される。
在庫や注文といった情報を一元管理することで全体最適が可能になる。
リードタイム削減による迅速に需要にこたえる（生産・全体）
需要の変化を在庫状況へ反映するのが早くなる。

SCMの短所（デメリット）

協力会社も巻き込んだ活動のためシステム導入のハードルが高い。
在庫最適化により余剰在庫がないため、特需に対する対応力が低下する。
大規模なシステム変更となるため、従来の管理方法からの移行難易度が高い。
社内外の上流から下流までを横断する手法であるため精通した人材育成が難しい。

SCMの時代背景

SCMを取り巻く時代背景を示します。

サプライチェーンのグローバル化（生産地と需要地のグローバル化）
AI技術の発展（需要予測）
IoT技術の発展（RFDIなど電子タグやQRコードなど２次元コードによる在庫管理の高度化）
EC需要の増加（需要の多様化と取扱い数量の増加）

色々なチェーンとマネジメント「SCM・DCM・ECM・MCM」

サプライチェーンの他にも「○○チェーン」と付く言葉があるのでご紹介します。特にDX関連では重要なキーワードなので覚えておきましょう。最後にMを付けて「マネジメント：Management」を足す場合もあります。

バリューチェーン「Value Chain」
エンジニアリングチェーン「Engineering Chain 」
マニュファクチャリングチェーン「Manufacturing Chain」
デマンドチェーン「Demand Chain 」
サプライチェーン「Supplly Chain」
サービスチェーン「Service Chain」

SCMとMESとERPとMRPの違い

MESとは「Manufacturing Execution System：製造実行システム」
ERPとは「Enterprise Resource Planning：企業資源計画」
MRPとは「Material Resource Planning：資材所要量計画」の略称です。

４つ「MESとSCMとERPとMRP」は近い領域で使用される言葉ですが難しいことばです。