信頼性設計と安全設計【キーワード学習】

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信頼性設計と安全設計とは?【技術士二次試験】

信頼性と安全性は技術士二次試験の機械部門では頻出の内容です。学問としては「信頼性工学および安全工学」の範疇に入ります。

  • 信頼性工学
    フォールトトレランス(障害許容設計)
    フォールトアボイダンス
  • 安全工学
    フェールセーフ
    フールプルーフ

他にも「フォールバック、セーフライフ(安全寿命設計)、フェールソフト、フェールオーバー、ダメージトレランス(損傷許容設計)」などありますが本記事では扱いません。

それぞれ「①不具合発生の未然防止、②不具合事象の影響転移、③不具合事象の影響緩和」のリスク分類で考えます。

信頼性設計(信頼性工学)

「フォールトトレランス」と「フォールトアボイダンス」について説明します。

フォールトトレランス(障害許容設計)

フォールトトレランスは「Fault Tolerance」の片仮名表記で、障害許容設計と呼ばれています。

製品機能を発揮するアイテムの一部に障害が発生しても、事前に定められた機能や状態を維持できるように、冗長化や多重化する設計手法(思想)です。機能を止めることができない製品やシステムに適用されます。

具体例としては「データサーバ・金融システム・医療機器」が挙げられます。
東証の終日取引停止は記憶に新しいのではないでしょうか?

フォールトアボイダンス

フォールトアボイダンスは「Fault Avoidance」の片仮名表記です。

製品機能やシステムを構成する要素に故障しにくい部品を選定し、ひとつ一つの故障率を下げることで製品やシステム全体の信頼性を向上させる設計手法(思想)です。しかし、故障は確率論であるため、どれだけ各要素の信頼性を組み合わせてもゼロになりません。そのため、単独で使用される機会の無い手法と言えます。

安全設計(安全工学)

「フェールセーフ」と「フールプルーフ」について説明します。

フェールセーフ

ェールセーフは「Fail Safe」の片仮表記です。
おそらく最も著名な安全設計思想だと思います。

製品機能やシステムを構成する要素に故障が発生しても、製品の動作やシステムの状態を安全側で停止させる設計手法(思想)です。製品やシステムが致命的な状態(暴走状態)に陥らないための手法でもあります。また、背景としてモノは必ず壊れることを前提としています。

ここで言う安全とは、人であれば怪我をしないこと、モノであれば資産価値を損なわないことです。

車が壊れた時に速度が上がり続けたら危険ですよね?

具体例
  • エレベーターはケーブルが切れた際に別系統のブレーキが作動しカゴの落下を防ぐ。
  • ブレーカーやヒューズのように過電流が流れた際に内外を遮断し過熱や損傷を防ぐ。
  • 閉まる自動ドアに挟まっても検知して扉が開く。

フールプルーフ

フールプルーフは「Fool Proof」の片仮名表記です。

製品やシステムが事前に知識を持たない者により、意図していない想定されていない使われ方や操作をされた場合でも、製品の動作やシステムの状態が故障や危険な状態にならないようにする設計手法(思想)です。

具体例
  • 赤ん坊が押せないよう100均ライターのボタンを固くしている。
  • プレス機のような挟み込みの危険がある場所で両手押しによる動作スイッチを導入する。
  • 車がギアをニュートラルに入れた状態でブレーキを踏まないとエンジン始動しない。

信頼性工学と安全設計まとめ【機械部門】

信頼性と安全性とは学問的に重なっている領域もあるので、今回まとめ直して勉強になることが多かったです。システム視点と製品視点で考えても面白い内容でした。

このような用語は知ってはいても、技術士二次試験のように論文に記述するには勉強が必要だと思いますので練習しましょう。

関連キーワード

信頼性工学、安全工学、冗長化、別原理、別系統、多重化、フェールセーフ、フールプルーフ、フォールトトレランス、フォールトアボイダンス、インターロック、フェイルソフト、ディペンダビリティ、etc…

参考情報

参考資料は順不同で記載しています。

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