必須科目1の設問を分析する【機械部門】
過去問から必須科目1で問われる「設問の形式」をまとめます。
必須科目1は令和1~3年度で毎年少しずつ設問の内容が変わっています。
そのため、毎年設問の内容が変わることを想定して出題者の意図を捉える必要があります。
しかし、技術士試験は令和元年に制度改定されているため、令和3年分の「6問」しかなく、現状過去問が不足しています。
必須科目は選択科目と異なり1問で合否判定されます。
選択できる2つの設問から、最も回答しやすい方を選び出しましょう。
解答の流れ
必須科目1の解答の流れを説明します。
設問1「機械技術全般に関する多面的な観点」
設問1では「問題」も書くことで「問題と課題」を分けて考えられることを示します。
- 前提となる問題文を整理する。
- 前提を踏まえて問題を設定する。
- 課題を抽出する。
- 観点を明記して課題を示す。
設問2「機械技術者として」
- 設問1の課題から最も重要な課題を挙げる。
- なぜ最重要に挙げたのか理由を示す。
- 最重要課題に対する3つの解決策を示す。
設問3「機械技術者として」
- 解決策すべてを実行した結果、得られる成果を示す。
- その波及効果を分析する。
- 新たに生じる懸念事項を示す。
- 懸念事項への対応策を示す。
設問4「機械技術者として」
- 設問2~設問3を前提として
- 機械技術者としての倫理の観点から①要件と②留意点を述べる
- 社会の持続可能性の観点から①要件と②留意点を述べる
必須科目1の設問の出題形式
過去の「出題形式」をリストアップします。
設問に記載されている内容は回答の前提条件となりますので見落とさないようにしましょう。
例えば「〇〇な状況を踏まえ」「〇〇が必要とされれている」と記載されています。
出題パターンを読む際には下記の3点に注意してください。
・1800字(=25行×24列×3枚)で回答することを意識する
・評価項目の「専門学的学識、マネジメント、評価、技術者倫理」を意識する
・図での回答も可能であることを忘れない
必須科目1の出題パターン【機械部門】
必須科目1について部門により対応状況が様々ですが
令和3年度から必須科目1で設問の文言が変更されています。
変更点は「①設問1で課題抽出時の観点を明記する点」と「②設問2と設問3で機械技術者の立場で解答を促されている点」が新しくなっています。
そのため試験時はどちらがきても慌てないように準備する必要があります。
出題パターン1(令和3年度の設問)
【必須科目1】
〇〇について・・・
(1)〇〇に関して、機械技術全般にわたる技術者としての立場で
多面的な観点から、それぞれの観点を明記したうえで、課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、
その問題に対する機械技術者としての複数の解決策を示せ。
(3)上記すべての解決策を実行した結果、得られる成果と波及効果を分析し、
新たに生じる懸念事項への機械技術者としての対応策を示せ。
(4)業務遂行において必要な要件・留意点を
機械技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
出題パターン2(令和2年度の設問)
【必須科目1】
〇〇について・・・
(1)〇〇に関して、機械技術全般にわたる技術者としての立場で
多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、
その問題に対する対する複数の解決策を示せ。
(3)上記すべての解決策を実行した上で生じる波及効果と
新たに生じる懸念事項への対応策を示せ。
(4)業務遂行において必要な要件・留意点を
機械技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
出題パターン3(令和1年度の設問A)
【必須科目1】
〇〇について・・・
(1)〇〇の場合に、必要な検討項目を、技術者としての立場で
多面的な観点から複数の課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、
その問題に対する対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4)業務遂行において必要な要件を
技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
出題パターン4(令和1年度の設問B)
【必須科目1】
〇〇について・・・
(1)あなたの専門分野だけでなく機械技術全体を統括する立場で、
多面的な観点から複数の課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、
その課題に対する解決策を具体的に3つ示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4)業務遂行において必要な要件を
機械技術者としての倫理の観点から述べよ。
必須科目1の注意点
特に必須科目1で大切なのは「技術者倫理」です。
評価項目に「技術者倫理」があるのは必須科目Ⅰのみとなっています。
そのため設問(4)の部分を回答用紙へしっかりと記述する必要があります。
必須科目1の問題分析まとめ
必須科目1では「技術者倫理」と「社会の持続性の観点」を記述できるように準備しましょう。
また、必須科目は他の科目で挽回することができません。
そのため慌てずに2問とも設問に記載された前提条件を読みこなす必要があります。
ただ、設問の形式を予想できれば記述量として事前に見込むことができるため、
記述速度としては余力があります。しっかりと骨子を考えてはじめましょう。
以上。最後までお読みくださりありがとうございます。